写真は[Girls of the feather]より抜粋

エジプトについて

昨年上映したエジプト映画「善き一日」(英語タイトルGirls of Feather-類は類

を持って集まる)について、是非お伝えしたく書きました。字幕と解説を担当しま

したが、エジプトについて全く無知でした。「おばちゃんはどこの国も同じで賑

やかやね〜」それにしても誰か観てくれるかなと失礼な私でした。

ところが目に見えた反応、福島原発事故から避難されている女性たちは楽しい映

画！また介護中の友人はまた観たい！と女子会の中で勧めてくれました。この魅

力は何かと思わず考えました。そして遅かりしですが、サーダウィ「イブの隠れ

た顔」(未来社1988年刊ー1994年復刊ー今も読まれている)を読みました。精神科

医で作家、そして第三世界を代表するフェミニストのエジプト女性です。

アラブ=イスラム教=女の抑圧とワンパターンでしか理解していなかったアラブの

国々でした。いえいえ違います、キリスト教も仏教もしっかり女を抑圧していま

す。エジプトはじめアラブの国々では、家父長制と宗教的慣習とそして近代資本

主義の重圧、その総ての皺寄せがより弱い女たちへ向かって行きます。既得権を

容易に捨てる男たちは少ないでしょう。サーダウィの告発は鋭く、全く古さを感

じさせないものです。一読をお勧めします。アラブの国々の女性たちのたゆまな

い闘いが時々ニュースとして届いていますよね。サウジアラビアでようやく女性

も車の運転が認められたー棚ぼたではないはずです。

上映したエジプト映画は、今でも外出がままならない女性たちが、ささやかな積

立金でナイル川のほとりへバスで小旅行する話です。その背景にある重さがじん

わりと伝わって来ます。女たちは手を取り合ってここまで生きてきたのです。監

督の腕前もなかなかです。映画を作ってくれた監督に感謝しつつ、「善き一日」

というタイトルに改めて自画自賛しています。私たちも善き一日を増やしましょ

うね。また、是非この映画を上映したいというグループがありましたら、連絡く

ださい。

追加　ジェンダーギャップ指数　2017年度版　エジプト　134位　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本　　　114位/144中　

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